治せるもの忘れ (正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫・甲状腺機能低下症・ビタミン B12 欠乏症・うつ症状によるもの忘れ) 治療で良くなりうる、見逃したくないもの忘れ

治せるもの忘れのページ冒頭イラスト。「そのもの忘れ、治せるかもしれない」「原因を見つけて治せば、回復が期待できる。」の見出しとともに、治療で元気を取り戻した年配の方がお孫さんと絵本を読んで穏やかに過ごす中心の場面と、頭部MRIで原因を調べる・血液検査で調べる・お薬で治療する3つの場面を描き、見つける・治す・取り戻すで認知機能の回復を目指すことを示している。
⚠ 意識がもうろう・けいれん・急な手足のまひはこちら

START HEREいま、どんな様子ですか?タップすると、答えの場所へ進みます

歩幅が狭くなり、
尿もれも出てきた
正常圧水頭症かも
頭を打った数週後、
ぼんやりが進む
慢性硬膜下血腫
疲れやすく、
寒がりになった
甲状腺機能低下症
両手がしびれ、
ふらつきもある
B12欠乏症かも
気分が沈み、
意欲がわかない
うつ症状かも
薬が増えてから、
もの忘れが目立つ
お薬の影響かも
数週間で目に見えて進んだ 速さが見分けの鍵 何科に行けばいい? もの忘れ外来へ 治せる原因が、
見つからなかったら
次の手があります
意識がもうろう・けいれん・
片側の手足に力が入らない
119番の目安を確認する
「主な原因と治し方」から順に

CAUSES主な原因と治し方

画像でわかる

正常圧水頭症

ご家族が気づくこと
  • 歩幅が狭く足が上がりにくい・向きを変えるときにふらつく
  • 尿が間に合わない
  • もの忘れ

3つそろわなくても疑います

当院での確かめ方
当院の頭部MRIで脳室の広がりを確かめます
治療(どこで)
連携先近隣の専門病院で髄液を少し抜く検査などを行い、手術(シャント手術)が向くかを判断します

慢性硬膜下血腫

ご家族が気づくこと
  • 頭を打った数週〜数か月後に、ぼんやりが進む
  • 本人が打ったのを忘れていることも
  • 血をサラサラにする薬を飲んでいる方は特に注意
当院での確かめ方
当院の頭部CT・MRIで確かめます
治療(どこで)
連携先近隣の専門病院で、たまった血を抜く手術を行います。再発することがあるので、手術後も定期的に確かめます

意識がもうろうとする・片側の手足が動かないときは、
すぐ119番へ

手術で改善が期待できる 2 つは、画像でこう見えます

正常
健常な方の頭部MRI。中央の脳室(黒い部分)は細くコンパクトで、脳のしわのすき間も均等に見える。
脳室(中央の黒い部分)は、細くコンパクトです
正常圧水頭症
特発性正常圧水頭症の頭部MRI。中央の脳室が大きくふくらんでいる。点線の楕円で脳室を示している。
脳室が大きくふくらんでいます
同じ方・正面からの断面
同じ特発性正常圧水頭症の方の頭部MRI(正面からの断面)。脳室が大きく、頭のてっぺん側では脳のしわのすき間が狭く詰まり、左右の側面ではすき間(シルビウス裂)が広がっている。点線の楕円でその3か所を示している。
頭のてっぺんでは脳のすき間が狭く詰まり、横のすき間は広がっています
手術前(CT)
慢性硬膜下血腫の手術前の頭部CT。片側の頭蓋骨の内側に三日月形に血液がたまり、脳が反対側へ押されている。点線の楕円で血腫を示している。
頭蓋骨の内側に血液がたまり、脳を押しています
手術後(CT)
同じ方の手術後の頭部CT。たまっていた血液が抜け、脳のかたちが左右対称にもどっている。
血液を抜いたあと。脳のかたちが元にもどっています

血液検査と問診でわかる

甲状腺機能低下症

ご家族が気づくこと
  • 寒がり
  • むくみ
  • 疲れやすさ
  • 声のかすれ
当院での確かめ方
血液検査で甲状腺ホルモンを測ります(結果は後日)
治療(どこで)
当院ホルモンを補う飲み薬で改善が期待できます。自己判断でやめず、血液検査で確かめながら続けます

ビタミンB12欠乏症

ご家族が気づくこと
両手のしびれ・ふらつき。胃の手術を受けた方、胃薬や糖尿病の薬を長く飲んでいる方
当院での確かめ方
血液検査でビタミンB12を測ります(結果は後日)
治療(どこで)
当院ビタミンの飲み薬か注射で補います。早めに見つけるほど、症状が残りにくくなります

うつ症状によるもの忘れ

ご家族が気づくこと
  • 気分が沈む
  • 眠れない
  • 食欲が落ちる
  • 質問に「わからない」とすぐ答える

「死にたい」と口にするときは、その日のうちに、当院かかかりつけ医へご相談ください。夜間・休日は、ふくおか自殺予防ホットライン 092-592-0783(24時間)へ16。

当院での確かめ方
問診と気分の問診票で確かめます
治療(どこで)
当院気分を整えるお薬と、休養・生活リズムの調整を組み合わせ、一定期間ののちにもの忘れと気分の両方を見直します。重いときは精神科と連携します

お薬の影響

ご家族が気づくこと
  • 睡眠薬
  • 過活動膀胱の薬
  • 古いタイプのアレルギーの薬

こうしたお薬などを飲み始めてから・増えてから

当院での確かめ方
お薬手帳で、どこから出ているお薬もすべて確かめます
治療(どこで)
当院
  • 続けたほうがよいお薬と、相談したほうがよいお薬を分けて整理します
  • ほかの医療機関のお薬は、処方元の主治医へ当院から連絡しながら進めます
  • 自己判断で中止しないでください
そのほかの治せる原因
特徴を見る閉じる
  • 梅毒が脳に達したもの(血液検査で疑い、抗生物質の点滴で治療・近隣の専門病院に入院)
  • お酒を多く飲む方のビタミンB1不足
  • 血液検査でわかるナトリウム・カルシウム・肝臓や腎臓の異常
  • 意識がぼんやりする波がある(てんかんのことがあります)

「治せる原因が、見つからなかったら…」

原因を確かめたことが、次の治療選びにつながります。その後の治療と暮らしの支えも、当院で続けられます。

FLOW受診から診断までの流れ

「何科に行けばいい?」

迷ったら、もの忘れ外来へ。脳のMRIと血液検査を、まとめて調べます。

受診から診断までの流れを4場面で示したイラスト。①問診:医師がご本人とご家族から話を聞く。②神経の診察:医師がご本人の歩き方を見る。③MRI検査:ご本人が寝台に横になりMRI装置に入る。④血液検査:ご本人が腕に針を刺して血液をとってもらう。

当日(90分ほど)

  1. 問診 始まり方と進む速さ、頭を打った覚え、飲んでいるお薬、お酒の量をうかがいます。
  2. 神経の診察 歩き方、手足の力やしびれを診ます。認知機能の検査と、必要に応じて気分の問診票を行います。
  3. MRI検査 画像でわかる原因(正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫など)を確かめます。医師が必要と判断すれば、原則として当日に受けていただけます。見つかれば近隣の専門病院へご紹介します。
  4. 血液検査 甲状腺ホルモン・ビタミンB12・葉酸などを測ります。

後日

  1. 血液検査の結果説明 原因がわかれば、当院で治療を始めます。

WARNING SIGNS受診の急ぎ方の目安

1つでも当てはまれば、その色の行き先へ。赤 → 黄 → 青の順に。迷うときは、急ぐほうへ。

緊急

すぐに119番

  • (周りの方から見て)意識がもうろう・反応が鈍い、または急に言うことやふるまいがおかしくなった
  • けいれん(ひきつけ)が起きた(いまは止まっていても)
    てんかんと診断されている方の、いつもの発作は → てんかんのページ
  • 頭や首の後ろに、突然の激しい痛みが起きた(いまは治まっていても)
  • 急に、顔や手足の片側がしびれる・力が入らない・入りにくい、顔がゆがむ、ろれつが回らない・言葉が出ない
  • 頭を打ったあと、意識やふるまいがおかしい・くり返し吐く・頭痛がどんどん強くなる(ほかの目安は → 頭部外傷のページ)
  • (周りの方から見て)意識がもうろう・反応が鈍い、または急に言うことやふるまいがおかしくなった
  • けいれん(ひきつけ)が起きた(いまは止まっていても)
    てんかんと診断されている方の、いつもの発作は → てんかんのページ
  • 頭や首の後ろに、突然の激しい痛みが起きた(いまは治まっていても)
  • 急に、顔や手足の片側がしびれる・力が入らない・入りにくい、顔がゆがむ、ろれつが回らない・言葉が出ない
  • 頭を打ったあと、意識やふるまいがおかしい・くり返し吐く・頭痛がどんどん強くなる(ほかの目安は → 頭部外傷のページ)
119に電話する
注意

できるだけ早めに受診

  • 頭を打った・転んだあとから、もの忘れ・ぼんやり・歩きにくさが出てきた・進んでいる
  • ぼんやりする時と、ふだんどおりの時をくり返す(いまは戻っている)
  • 頭を打った・転んだあとから、もの忘れ・ぼんやり・歩きにくさが出てきた・進んでいる
  • ぼんやりする時と、ふだんどおりの時をくり返す(いまは戻っている)

目安は数時間のうち。診療時間外・休日は、救急外来へ。

受診先に迷うときは #7119(福岡県の救急医療電話相談・24時間)15。つながらないときは 092-471-0099。

0942-42-1155 に電話
相談

予約して受診

  • ここ数週間〜数か月で、もの忘れが目に見えて進んできた
  • 歩き方の変化・もの忘れ・尿もれが重なる
  • ゆっくり進むもの忘れと、寒がり・むくみが重なる
  • 両手のしびれ・ふらつき・もの忘れが重なる
  • 気分の落ち込みと、もの忘れが重なる
  • ここ数週間〜数か月で、もの忘れが目に見えて進んできた
  • 歩き方の変化・もの忘れ・尿もれが重なる
  • ゆっくり進むもの忘れと、寒がり・むくみが重なる
  • 両手のしびれ・ふらつき・もの忘れが重なる
  • 気分の落ち込みと、もの忘れが重なる

年のせいと様子を見ずに、予約を。

WEB予約・アクセス
この目安の根拠

受診の時期を書いた一般向けの資料(総務省消防庁・東京消防庁・英国NHS など)を中心に、段を決めました。福岡県の #7119 も、消防庁の基準で判断しています。資料の無い行は、当院の医師が判断しました。下に、行ごとの主な資料を挙げます(番号はページ末の参考文献)。

突然の激しい頭痛・経験したことのない頭痛・頭痛と吐き気・熱と首の硬さは、頭痛のページの「この目安の根拠」と同じ資料です。片側のしびれ・急な見え方の異常・意識やふるまいの変化・けいれんは、よくある症状のページの「この目安の根拠」と同じ資料です。

赤(すぐに119番)

  • 意識やふるまいの変化・けいれん・突然の激しい頭痛・急な片側の症状:上の頭痛のページ・よくある症状のページと同じ資料です。
  • 頭を打ったあと:頭部外傷のページの「この目安の根拠」をご覧ください。

黄(できるだけ早めに受診)

  • 頭を打った・転んだあとからの、もの忘れ・ぼんやり・歩きにくさ:もの忘れは、英国NHS(慢性硬膜下血腫)で救急外来の扱いで、この段と同じです17。歩きにくさは英国NHSで、頭を打ったあとに反応が悪くなってきたときは総務省消防庁の救急受診ガイド(Q助)・東京消防庁の救急受診ガイドで、119番の扱いです171314。当院の医師の判断で、出てきた・進んでいる段階は、一段下げてこの段にしました(意識やふるまいがはっきりおかしいときは赤)。
  • ぼんやりする時と、ふだんどおりの時をくり返す:総務省消防庁の救急受診ガイド(Q助)では、反応がよくなったり悪くなったりをくり返すとき、65歳以上の方は119番の扱いです13。当院の医師の判断で、一段下げて、この段にしました。いまおかしいときは、赤の「意識やふるまいの変化」です(healthdirect でも、急に始まった混乱は救急車の扱いです18)。
  • 時間外の相談先(#7119):福岡県救急医療情報センター15

青(予約して受診)

  • ここ数週間〜数か月で進むもの忘れ:英国NHS・healthdirect(オーストラリア政府の健康情報サイト)では、少しずつ進むもの忘れは、かかりつけ医の扱いです1718。急におかしくなったときは、赤の「意識やふるまいの変化」の扱いです1718。
  • 歩き方・尿もれ・寒がり・手のしびれ・気分の落ち込みを伴うもの忘れ:英国NHS・healthdirect(認知症が疑われる症状:かかりつけ医)1718。急におかしくなったときは赤です。

当てはまる症状をくわしく確かめる

赤 すぐに119番

  • (周りの方から見て)意識がもうろう・反応が鈍い、または急に言うことやふるまいがおかしくなった
  • けいれん(ひきつけ)が起きた(いまは止まっていても)
    てんかんと診断されている方の、いつもの発作は → てんかんのページ
  • 頭や首の後ろに、突然の激しい痛みが起きた(いまは治まっていても)
  • 急に、顔や手足の片側がしびれる・力が入らない・入りにくい、顔がゆがむ、ろれつが回らない・言葉が出ない
  • 頭を打ったあと、意識やふるまいがおかしい・くり返し吐く・頭痛がどんどん強くなる(ほかの目安は → 頭部外傷のページ)
119に電話する

黄 できるだけ早めに受診

目安は数時間のうち。診療時間外・休日は、救急外来へ。

  • 頭を打った・転んだあとから、もの忘れ・ぼんやり・歩きにくさが出てきた・進んでいる
  • ぼんやりする時と、ふだんどおりの時をくり返す(いまは戻っている)
0942-42-1155 に電話

青 予約して受診

年のせいと様子を見ずに、予約を。

  • ここ数週間〜数か月で、もの忘れが目に見えて進んできた
  • 歩き方の変化・もの忘れ・尿もれが重なる
  • ゆっくり進むもの忘れと、寒がり・むくみが重なる
  • 両手のしびれ・ふらつき・もの忘れが重なる
  • 気分の落ち込みと、もの忘れが重なる
WEB予約・アクセス

FAQよくある質問

「治せるもの忘れ」とはどういう意味ですか?
原因の病気を治療すると、もの忘れが良くなる(一部または全部)ものをまとめた呼び方です。
アルツハイマー型認知症と「治せるもの忘れ」はどう見分けますか?
経過の速さ・随伴症状・血液検査と画像で総合的に判断します。
  1. ① 経過の速さ アルツハイマー型は通常年単位でゆっくり進みます。慢性硬膜下血腫は数週〜数か月で進むことが多く、速さが見分けの手がかりになります。
  2. ② 随伴症状 アルツハイマー型では歩行障害は末期まで目立ちません。正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫では歩行障害が認知低下と並ぶか先行し、ビタミンB12欠乏症では両手のしびれ、甲状腺機能低下症では寒がり・むくみが伴います。
  3. ③ 血液検査と画像 甲状腺機能低下症・ビタミンB12欠乏症は血液検査、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症は頭部 MRIで確認できます。当院の標準的な血液検査と頭部 MRI を組み合わせれば、外来で多くは絞り込めます。
家族のもの忘れが目に見えて進んできた/頭をぶつけたことが気になります。
慢性硬膜下血腫のことがあり、早めに頭部CT・MRIで確かめることをおすすめします。
血液検査だけで原因が分かることがありますか?
甲状腺機能低下症やビタミンB12の不足などは、血液検査でわかります。
うつ症状と認知症は、どう関係していますか?
高齢の方のうつ症状が認知機能低下として現れる「うつ症状によるもの忘れ」と、認知症の併存があり、両方を考慮して評価します。
  1. ① うつ症状によるもの忘れ(うつ症状が認知症のように見える) うつ症状の影響でもの忘れが目立つ状態です。気分を整えるお薬などで、認知機能が改善することがあります。
  2. ② うつ症状と認知症の併存 抑うつはアルツハイマー型・レビー小体型認知症の前駆症状として出ることもあります。両方を念頭に置きながら評価します。

アクセス・診療時間

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診療時間を確認しています
つつみ脳神経外科クリニック
曜日 月 火 水 木 金 土 日・祝
午前 9:00 – 12:30 休診
午後 14:00 – 18:00 14:00 – 17:00 14:00 – 18:00 14:00 – 17:00
午前
月〜土 9:00 – 12:30
午後
月・火・水・金 14:00 – 18:00
木・土 14:00 – 17:00
休診
日曜・祝日

※ 受付は午前・午後ともに診療終了の30分前までです。日曜・祝日・お盆・年末年始は休診です。

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