頭部外傷
頭を打った後の受診の目安と、見守りのポイント
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EMERGENCY頭を打ったあとの受診の目安
1つでも当てはまれば、その色の行き先へ。赤 → 黄 → 見守りの順に。迷うときは、急ぐほうへ。
緊急
すぐに119番
- 意識・
ふるまいが
おかしい - けいれん(止まっても)
- くり返し
吐く - 手足・
ことば・
歩けない - 見え方・
聞こえ方 - 頭痛が
どんどん
強く - 鼻・耳から
液や血・
耳裏のあざ - 事故・
高い所から
落ちた - 1歳未満の
こぶ・はれ
くわしい目安を見る(9項目)
- 意識がおかしい・呼びかけへの反応が鈍い・ふるまいがいつもと違う(怒りっぽい・ぼんやりしている)
- けいれん(ひきつけ)が起きた(いまは止まっていても)
- 何度もくり返し吐く
- 手足に力が入らない・入りにくい・しびれる、ろれつが回らない・言葉が出ない、ふらついて歩けない
- 見え方・聞こえ方がおかしい、左右の瞳孔(黒目の中心)の大きさが違う
- 頭痛がどんどん強くなっていく
- 鼻や耳から水のような透明な液や血が出続ける、耳の後ろ・目の周り(目は打っていない)にあざが出てきた、頭がへこんでいる
- 交通事故や、高い所(1メートル以上・階段5段以上)からの転落など、強い衝撃だったとき
- 1歳未満の赤ちゃんの、頭のこぶ・はれ・大きな切り傷
119に電話する
注意
できるだけ早めに受診
- 一瞬でも気を失った・ぼーっとして反応がなかった(いまは戻っていても)
- 打った前後のことを思い出せない
- 1回でも吐いた
- 頭痛が続いている
- めまいがする
- 血をサラサラにする薬を飲んでいる方(症状がなくても)
- お酒を飲んでいて様子の変化が分かりにくいとき
- そばで見守れる大人がいないとき
- 一瞬でも
気を失い・
ぼーっと - 前後の
記憶が
ない - 1回でも
吐いた - 頭痛が
続く - めまい
- サラサラの
薬を
飲んでいる - お酒で
様子が
分からない - 見守る
大人が
いない
くわしい目安を見る(8項目)
- 一瞬でも気を失った・ぼーっとして反応がなかった(いまは戻っていても)
- 打った前後のことを思い出せない
- 1回でも吐いた
- 頭痛が続いている
- めまいがする
- 血をサラサラにする薬を飲んでいる方(症状がなくても)
- お酒を飲んでいて様子の変化が分かりにくいとき
- そばで見守れる大人がいないとき
目安は数時間のうち。診療時間外・休日は、救急外来へ。
受診先に迷うときは #7119(福岡県の救急医療電話相談・24時間)9。つながらないときは 092-471-0099。
お子さんは #8000 へ。
0942-42-1155 に電話
見守り
24時間は見守り
- 打ってから24時間は大人が付き添い、一人にしない
- 新しい症状が出たら、上の2段に戻って対応を
- 迷うときは #7119 へ相談を(お子さんは #8000)
- 打ってから24時間は大人が付き添い、一人にしない
- 新しい症状が出たら、上の2段に戻って対応を
- 迷うときは #7119 へ相談を(お子さんは #8000)
見守り方を確認する
この目安の根拠
受診の時期を書いた一般向けの資料(総務省消防庁・東京消防庁・英国NHS など)を中心に、段を決めました。福岡県の #7119 も、消防庁の基準で判断しています。資料の無い行は、当院の医師が判断しました。下に、行ごとの主な資料を挙げます(番号はページ末の参考文献)。
赤(すぐに119番)
- 意識やふるまいの変化・けいれん・手足やことばの異常・ふらついて歩けない・見え方の異常:総務省消防庁の救急受診ガイド(Q助)・消防庁の電話相談の手引き・英国NHS・英国NICE(英国の公的な診療指針をつくる機関)26711。聞こえ方の異常は英国NHS11、左右の瞳の大きさの違いは日本臨床スポーツ医学会の提言1です。
- 頭痛がどんどん強くなる:Q助・消防庁の電話相談の手引き67
- 何度もくり返し吐く:Q助・消防庁の電話相談の手引き・healthdirect(オーストラリア政府の健康情報サイト)6712
- 鼻や耳からの液や血・目の周りや耳の後ろのあざ・頭のへこみ:英国NHS11(鼻や耳からの出血は Q助・消防庁の電話相談の手引きも67)
- 強い衝撃(交通事故、1メートル以上・階段5段以上からの転落):東京消防庁の救急受診ガイド・英国NHS・英国NICE・healthdirect281112
- 1歳未満のこぶ・はれ・大きな切り傷:英国NHS11(Q助の子どもの表も、1歳未満は急ぎを一段上げています)
黄(できるだけ早めに受診)
- 一瞬でも気を失った・ぼーっとして反応がなかった・前後を思い出せない・1回でも吐いた(いまは普段どおり):英国NICE(救急外来へ)2。お子さんの、気を失ったが戻った・吐いたは、日本小児科学会も「早めに救急外来へ」です10。
Q助・消防庁の電話相談の手引きでは、どれも119番の扱いです。お子さんが同じことを何回も言うときは、日本小児科学会でも救急車の扱いです。当院の医師の判断で、いまは普段どおりのときは、この段にしました。CT で確かめられるためです。
- 頭痛が続いている:Q助(頭痛の表)・英国NICE26
- めまい:英国NHS11(Q助・消防庁の電話相談の手引きでは、めまい・フラフラも119番の扱いです。当院の医師の判断で、ふらついて歩けないときを119番にしました)
- 血をサラサラにする薬を飲んでいる:Q助・英国NHS・英国NICE2611(Q助では、打った所の痛み・はれ・たんこぶなどがあれば119番の扱いです。当院の医師の判断で、この段にしました。英国NICE と同じ扱いです)
- お酒で様子が分かりにくい:英国NHS・英国NICE211
- 見守る大人がいない:当院の医師の判断です(英国NICE も、救急外来への紹介を考える場合に挙げています2)
- 時間外の相談先(#7119):福岡県救急医療情報センター9
見守り(24時間)
- 24時間の付き添い:英国NHS・healthdirect1112
FIRST 24H打った日から、24時間の見守り方
「たんこぶだけなら平気かな…」
たんこぶは頭皮の下の出血で、頭の中の出血とは別物です。頭皮の傷は血が多く出て見えますが、押さえたり縫ったりで対応できることがほとんどです。大切なのは大きさより、そのあとの様子です。
心配なのは、外からは見えない頭蓋骨の中です。脳が揺さぶられて働きが一時的に乱れる「脳振盪」や、頭の中の出血が起こることがあります1。
頭の中の出血はゆっくり進むことがあり、直後はふつうに話せていても、数時間〜1日たってから様子が悪くなることがあります(意識清明期)1。とくに最初の数時間に注意して見てください。
24時間の見守り方
- 付き添う
- 打ってから24時間は大人がそばにいて、一人にしない12
- 眠るとき
- 眠ってかまいません。「寝かせてはいけない」は俗説です。ときどき寝息がふだんどおりか、呼びかけに反応するかを確かめてください
- 避けること・相談
- その日は飲酒を避け、お風呂も一人で入らない
- 起こしても反応がおかしい・息がおかしいときは119番
- 翌日以降に、ふるまいや性格の変化が出たら119番。頭痛・めまい・吐き気が続けば、その日のうちに受診(夜間・休日は救急外来へ)1(→ 受診の目安)
血をサラサラにする薬を飲んでいる方へ
- 受診
- 症状がなくても、その日のうちに受診を(夜間・休日は救急外来へ)。頭の中の出血が起こりやすく、指針でも画像検査を考える対象とされています2
- お薬
- 自己判断で中止しないでください。続ける・止めるは、処方した医師や当院にご相談ください
- その後も
- 数週間〜数か月後の変化(慢性硬膜下血腫)にも気を配ってください
WEEKS LATER数週〜数か月後の「じわじわ」慢性硬膜下血腫は、治療で改善が期待できる病気です
頭を打った数週間〜数か月後に、脳の表面にゆっくり血がたまる病気で、慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)といいます。打ったことを忘れたころに、歩きにくさ・元気のなさ・もの忘れなどが少しずつ出ます34。
特に注意が必要なのは、高齢の方・お酒をよく飲む方・血をサラサラにする薬を飲んでいる方です34。こうした変化に気づいたら、打った覚えが無くても早めにご相談ください。CTやMRIで確かめられ、治療でよくなることが多い病気です。
CONCUSSION脳振盪(のうしんとう)とスポーツ意識を失わなくても、脳振盪は起こります
脳振盪は、頭への衝撃で脳の働きが一時的に乱れた状態です。「気を失わなかったから大丈夫」と思われがちですが、意識を失わなくても脳振盪は起こります1。
CTやMRIなどの画像検査では異常が写らないことが多い一方で、頭痛・めまい・集中しにくさ・ぼんやりした感じなどの症状が、しばらく続くことがあります。スポーツ中に脳振盪が疑われたときは、次の原則が国際的に共有されています1。
-
まず休む
脳振盪が疑われたら、当日の競技復帰はさせないのが原則です。その日は休みます。「大丈夫」という本人の申告だけで判断しないでください1。
-
症状を見ながら
散歩などの軽い活動は、症状が強まらない範囲で、翌日ごろから始めてかまいません。症状が消えるまでじっと休み続けるより、回復が早いことがわかっています5。
-
少しずつ再開
軽い運動から順に強度を上げ、各段階の間は24時間以上あけます。途中で症状が出たら、前の段階に戻ります。ぶつかり合う練習や試合に戻るのは、症状が消えて、医師の確認を受けてから1。
部活動の子どもたち・保護者の方へ:「試合に出たい」「チームに迷惑をかけたくない」と、子どもは症状をがまんして隠しがちです。頭を打ったあとの「なんとなく様子が変」を、周りの大人が拾ってあげてください。復帰の判断に迷うときは、当院にご相談いただけます。
FLOW当院での受診の流れ
「救急車を呼ぶほどではないけれど、頭の中が心配」というとき、当院で状態を確認できます。受診の流れは次のとおりです。
-
問診
いつ・どのように打ったか、その後の様子、飲んでいるお薬を伺います。
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神経の診察
意識・手足の力・感覚・歩き方を確かめます。
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CT検査
出血の確認に向いたCTを中心に、必要に応じてMRIで確かめます。いずれも院内で、原則当日に受けていただけます。
頭の中の出血は、CT でこう見えます
当院の CT 検査について
正常
頭蓋骨の内側に、脳が左右対称におさまっています
急性硬膜下血腫
頭蓋骨のすぐ内側に血液がたまり、脳が反対側へ押されています
-
結果説明
結果は当日ご説明します。手術など入院が必要なときは、連携する専門病院へご紹介します。
当院と専門病院の役割
- 当院CT・MRIで確認
- 専門病院手術・入院
- 当院手術後の診察
FAQよくある質問
Q. 頭を打った日の夜、眠らせてもいいですか?
眠らせてかまいません。ときどき寝息と呼びかけへの反応を確かめてください。
24時間の見守り方
Q. いつまで様子を見ればいいですか?
Q. 子どもがサッカーで頭を打ちました。今日の試合に戻れますか?
戻さないでください。脳振盪が疑われるときは、その日の競技復帰はしないのが原則です1。
脳振盪とスポーツ