慢性腎臓病(CKD)(まんせいじんぞうびょう:chronic kidney disease/腎機能・尿たんぱく)腎臓を守ることは、脳を守ることにつながります
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ABOUT慢性腎臓病(CKD)とは「腎臓の働きの低下」か「尿たんぱく」が続いている状態
腎臓は、血液をこして老廃物や余分な塩分・水分を尿として出す臓器です。この働きが少しずつ低下したり、尿にたんぱくが漏れ出したりする状態が続くものを、まとめて慢性腎臓病(CKD)と呼びます。原因はさまざまですが、高血圧・糖尿病が背景にあることが多い病気です。
診断は、健診でも測るeGFR(腎臓の働きの目安)と尿たんぱくが手がかりになります。次の①②のどちらかが3か月を超えて続くと、CKDと判断されます3。
| 手がかり |
この状態が 3か月を超えて続くと |
① 尿たんぱくなど 腎臓の傷みのサイン |
陽性(尿検査などで確認) |
| ② eGFR(腎臓の働きの目安) |
60未満 (mL/分/1.73㎡) |
健診の結果票の見方
結果票では、eGFR(血液検査)と尿たんぱく(尿検査の試験紙)の2つの値を見ます。縦のeGFRと横の尿たんぱくが交わるマスが、あなたの受診の目安です34。
| eGFR |
尿たんぱく(試験紙) |
| (-) |
(±) |
(1+) 以上 |
| 60以上 |
毎年の健診で経過をみる |
生活の見直し。2年続けば受診 |
受診を。腎臓の専門医と相談も |
| 45〜59 |
受診して再検査。3か月続けばCKD |
受診を。腎臓の専門医と相談 |
受診を。腎臓の専門医と相談 |
| 45未満 |
どの結果でも、受診を。腎臓の専門医と相談 |
「要再検」は、再検査して確かめる意味です134。
次に当てはまる方は、表によらず受診を
- 40歳未満で、eGFRが60未満
- 高血圧・糖尿病で、尿たんぱく(±)
- 尿たんぱくと尿潜血が両方出ている
「腎臓が弱るのは、年のせい?」
年齢とともにeGFRが下がるのは事実です。ただ、尿たんぱくの有無と下がる速さで意味が変わります3。一度確かめれば、見守りでよいかが分かります。
COMPLICATIONS放置するとどうなるか脳卒中、そして認知機能・全身の血管へ
「症状がないのに、治療が要るの?」
症状がなくても、整えておく意味があります。CKDは脳卒中のリスク因子です25。腎機能が低いほど・尿たんぱくが多いほど、脳卒中のリスクは高まります。
脳卒中との関係
腎臓と脳は、どちらも細い血管が集まった臓器です。高血圧・糖尿病という共通の原因を通じて、腎臓の血管が傷んでいる方は、脳の血管も傷んでいることが多いのです。CKDの方は、脳卒中や心臓病になる危険、それによって亡くなる危険が2倍以上とされています4。血圧・血糖を整えることで、このリスクは下げていけます。進め方は治療の節でご紹介します。
認知機能との関係
尿たんぱくが出ている方では、腎臓の働き(eGFR)とは別に、尿たんぱくが認知機能の低下と関連することが報告されています。スウェーデンの65歳以上・約13万人を調べた観察研究では、認知症になるリスクが1.25〜1.37倍でした6。観察研究なので「関連」を示したもので、原因とまでは言えません。
「すぐ透析になるの?」
多くの方は、すぐに透析にはなりません。CKDの多くは年単位でゆっくり進みます。段階を知って管理を続けることで、進みをゆるやかにできます。eGFRが45未満などの段階では、腎臓の専門医へのご相談も考えます(ご相談の目安)。
TREATMENT治療(生活改善とお薬)腎臓を守り、進みをゆるやかにするための管理
CKDの治療の目標は、腎臓の働きの低下をできるだけゆるやかにし、脳卒中や心臓病を防ぐことです。
中心になるのは、背景にある血圧・血糖・コレステロールの管理と、生活の見直しです。腎臓の状態に合わせて、主治医がお薬を組み合わせます3。
血圧を整える
- 目安
- 多くの方は、診察室で130/80未満(家庭で125/75未満。単位はmmHg)が目安です。年齢や尿たんぱくの有無で、主治医が調整します37
- 続け方
- 家庭で血圧を測る(測り方は高血圧のページで)
- 減塩(1日6g未満をめやすに)
- 注意・相談
- 立ちくらみ・ふらつきがあるときは、ご相談ください
腎臓を守るお薬と、血糖・コレステロール
② お薬と、背景の病気
腎臓の状態に合わせて、主治医が組み合わせます
- 目安
- 尿たんぱくがある方などでは、腎臓を守る働きが確かめられたお薬(血圧の薬の一部や、もとは糖尿病の薬)を使うことがあります13
- 続け方
- 血糖・コレステロールも、定期的な血液検査で確かめながら整えます
- 注意・相談
- お薬の量は、腎臓の働きに合わせて調整します
食事と生活
- 続け方
- 味つけは薄めに、汁物は控えめに。無理のない運動を続けましょう
- 注意・相談
- たんぱく質・カリウムの摂り方は、腎臓の段階で変わります。自己流で制限せず、主治医と相談しましょう
腎臓に負担をかけない
④ 気をつけたいこと
市販の痛み止めの常用は避けたい
- 目安
- 市販の痛み止めの一部は、続けて飲むと腎臓に負担をかけることがあり、常用は避けたいお薬です。痛みが続くときは、腎臓に負担をかけにくい選び方を医師・薬剤師に相談してください1
- 続け方
- 飲んでいるお薬・サプリは、市販薬も含めて医師・薬剤師に伝えましょう
- 注意・相談
- 下痢・発熱・食べられない日は、早めに受診・相談を(一部のお薬を休むことがあります)1
OUR CLINIC当院でできること血液検査・尿検査での評価、血圧・血糖の管理、血管と脳の確認
当院は地域のかかりつけとして、CKDの評価と、背景にある生活習慣病の管理を一緒に続けていきます。脳神経を専門とするクリニックとして、動脈硬化や脳が実際にどうなっているかもあわせて確認できます。いま別の内科にかかっている方も、かかりつけの先生と併行して、脳を守る視点での相談・検査だけを受けていただけます。
通院のたびに
-
血液検査・尿検査で腎臓の状態を確認
当院の血液検査(eGFR)と尿検査(試験紙で尿たんぱく・尿潜血を調べます)で、腎臓の状態とその変化を確かめられます。
-
血圧・血糖・コレステロールの管理
背景にある高血圧・糖尿病・脂質異常症を、内服と定期的な血液検査で管理します。
必要に応じて
-
血管や脳の状態を確認
頸動脈エコー・MRI・CTで、動脈硬化や脳の状態を実際に確かめられます。
-
腎臓の専門医へのご相談
次のようなときは、腎臓の専門医へのご相談を考えます
3。
- eGFRが45未満
- 尿たんぱく(1+)以上が続く
- 尿たんぱくと尿潜血が両方出ている
- 短い間に、eGFRが急に下がった
年齢や尿たんぱくの程度によって、もっと早くご相談することもあります。ご高齢の方は年齢とともにeGFRが下がりやすいため、尿たんぱくの有無や値の変わり方もあわせて、ご相談が必要かを診察で判断します
3。
FAQよくある質問
近所の内科など、別の病院に通院中でも、脳のことを相談できますか?
A. はい。かかりつけの先生と併行して、脳を守る視点での相談・検査だけを受けていただけます。
-
① いまの治療は、そのままで
腎臓や血圧・血糖の治療は、いまのかかりつけの先生のもとで続けながら、当院では脳を守る視点での相談・検査を受けていただけます。
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② 血管・脳の状態を確かめられます
当院では頸動脈エコーで動脈硬化の程度を、MRI・CTで脳の状態を確認できます。飲んでいるお薬がわかるものをお持ちください。
健診の結果票は持って行ったほうがいいですか?
A. はい、お持ちください。過去の分もあれば、eGFRや尿たんぱくの変化が分かります。
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① 今回の結果票
eGFRと尿たんぱくの値から、上の結果票の見方の表で目安を確かめ、今の状態と方針を一緒に確認します。
-
② 過去の結果票もあれば
数年分を並べると、下がる速さが分かります。年齢による変化か、注意が必要な変化かを見分ける手がかりになります。