TIA(一過性脳虚血発作)(いっかせいのうきょけつほっさ:transient ischemic attack)症状が消えても “治った” ではありません

TIA(一過性脳虚血発作)のページ冒頭イラスト。「その症状、消えても油断しないで」の見出しとともに、片方の手足の脱力・言葉の出にくさ・片目が一瞬カーテンのように見えなくなる一過性黒内障といった、短時間で消える一時的なサインを描いている。TIAは脳梗塞の前ぶれであることを示す。
⚠ 片側の手足に力が入らない・ろれつが回らない症状が、いま続いている・今日くり返した方はこちら

START HEREこんなことがありましたか?タップすると、答えの場所へ進みます

片手の力が抜けて、
数分で戻った
TIAかも
片目に一瞬、
カーテンがかかった
目の症状も同じ
症状は1つだけ
(めまいだけなど)
1つでも注意
気づいたのは
数日前
今からでも受診
片頭痛や立ちくらみ
だったかも
見分けは検査で
どんな検査を
するの?
当日の検査
TIAと言われて
薬が始まった
続け方
本人は「大丈夫」
と言うけれど
家族の方へ
片側の手足に力が入らない・ろれつが回らない、いま続いている 顔がゆがむ・片目が見えにくいときや、今日のうちに症状がくり返したときも、すぐ119番へ。 すぐ119番

ABOUTTIA(一過性脳虚血発作)とは突然あらわれて、短時間で消える発作

TIA は、脳や目(網膜=目の奥で光を受け取る膜)の血流が一時的に足りなくなり、脳梗塞と同じ症状が突然あらわれて、短時間で消える発作です。多くは数分〜1 時間以内に消えますが12、治ったのではなく、脳梗塞の前ぶれです。

こんな症状が突然出て、短時間で消えませんでしたか?

めまいだけ・ろれつだけのように症状が 1 つだけでも、その後に脳卒中が起こる割合は、典型的な TIA とほぼ同じでした(3 か月で約 11%)3。

「消えたし、しばらく様子を見てもいいかな…」

消えた直後ほど危ない時期です。その日のうちに受診してください(夜間・休日は救急外来へ)。

TIA の症状が消えた直後の様子を描いたイラスト。自宅の居間で、片手を軽く振って「もう平気」と油断するご本人と、肩にそっと手を添えて気づかわしげに見守る配偶者。症状が消えても油断は禁物であることを示している。

消えたあと、どのくらい危ないの?

年齢・血圧・糖尿病・症状の種類や長さで、数日以内の危険度が変わります4。

FLOW受診した日の流れ脳・首の血管・心臓を調べて、原因を見極めます

「数日たってしまったけど、今さら行っても…」

危ない時期は最初の数日ですが、その後も 3 か月ほどは注意が続きます5。気づいた今日、受診してください。

受診当日

TIA の検査の流れを左から右に4場面で並べたイラスト。MRI 撮影、医師による頸動脈エコー、心電図、診察室で電子カルテの頭部MRI画像を見ながらの結果説明・再発予防の相談の順に、同じご本人が進んでいく。
  1. MRI・MRA 脳に小さな梗塞がないか、脳や首の血管が細くなっていないかを調べます。MRI は、医師が必要と判断した場合、原則として当日に受けていただけます(結果も当日ご説明)。
  2. 頸動脈エコー 首の動脈に、動脈硬化(血管の内側にたまる汚れ=プラーク)や細くなったところがないかを、体に負担なく調べます。
  3. 心電図 脳梗塞の原因になる心房細動(脈が不規則になる不整脈)がないかを調べます。血液検査も行います(結果は後日お伝えします)。
  4. 結果の説明と再発予防の相談 結果から原因を見極め、再発予防の薬と生活の方針を一緒に決めます。

入院での検査・治療が必要なときは、連携する専門病院へすぐにご紹介し、その後の再発予防は当院で続けます。

当院と専門病院の役割

  1. 当院受診・検査
  2. 専門病院入院での検査・治療
  3. 当院再発予防の通院

FOLLOWTIAと言われたら(再発予防)原因に合わせた薬と、生活習慣の管理

TIA・脳梗塞の再発予防の薬は病型によって変わることを示した図。心房細動(心原性)には抗凝固薬、動脈硬化(非心原性)には抗血小板薬を用い、共通の土台として血圧・血糖・コレステロール・禁煙・運動など生活習慣の管理を行う。

薬は原因で変わります。心房細動なら抗凝固薬、ほかは多くが抗血小板薬。どちらにも生活習慣の管理が土台になります1。

TIAと言われた方に

再発予防の薬と生活

調子がよくても続けます

目標
次の脳梗塞を防ぐ
続け方
原因に合わせた薬(心房細動なら抗凝固薬、それ以外は多くが抗血小板薬)と、血圧・血糖・コレステロールの管理・禁煙1
注意・相談
調子がよくても、自己判断で薬をやめない

首の血管が強く狭いときは、専門病院で手術などを検討します

WARNING SIGNS似た症状の見分けと受診の目安

似た症状との見分け

前兆のある片頭痛・てんかん・一過性全健忘・立ちくらみや失神・低血糖・メニエール病でも、TIA に似た症状が出ます。

TIA と間違えやすい6つの病気をアイコンで並べた図。前兆のある片頭痛、てんかん、一過性全健忘、立ちくらみ・失神、低血糖、メニエール病。いずれも TIA と症状が似ており、診察と検査で見分ける必要がある。

見分けは診察と検査で行います。自分で「たぶん片頭痛」と決めず、受診してください。

1つでも当てはまれば、その色の行き先へ。赤 → 黄 → 青の順に。迷うときは、急ぐほうへ。

緊急

すぐに119番

  • いま片側の手足に力が入らない・入りにくい・顔がゆがむ・ろれつが回らない
  • いま片方の目が見えない・見えにくい
  • 突然の強いめまい・ふらつきで、まっすぐ歩けない・立てない
  • 今日のうちに2回以上起きた(いまは消えていても)
  • いま片側の手足に力が入らない・入りにくい・顔がゆがむ・ろれつが回らない
  • いま片方の目が見えない・見えにくい
  • 突然の強いめまい・ふらつきで、まっすぐ歩けない・立てない
  • 今日のうちに2回以上起きた(いまは消えていても)
119に電話する
注意

できるだけ早めに受診

  • 上の症状が出て、数分〜数時間で消えた(消えても、受診が必要です)
  • 1つだけ・すぐ消えた症状が気になる
  • 上の症状が出て、数分〜数時間で消えた(消えても、受診が必要です)
  • 1つだけ・すぐ消えた症状が気になる

目安は数時間のうち。診療時間外・休日は、救急外来へ。

受診先に迷うときは #7119(福岡県の救急医療電話相談・24時間)10。つながらないときは 092-471-0099。

0942-42-1155 に電話
相談

予約して受診

  • TIAと言われ、再発予防を続けたい
  • 脳梗塞の危険(血圧・心房細動など)が気になる
  • TIAと言われ、再発予防を続けたい
  • 脳梗塞の危険(血圧・心房細動など)が気になる
WEB予約・アクセス
この目安の根拠

受診の時期を書いた一般向けの資料(総務省消防庁・東京消防庁・英国NHS など)を中心に、段を決めました。福岡県の #7119 も、消防庁の基準で判断しています。資料の無い行は、当院の医師が判断しました。下に、行ごとの主な資料を挙げます(番号はページ末の参考文献)。

突然の激しい頭痛・経験したことのない頭痛・頭痛と吐き気・熱と首の硬さは、頭痛のページの「この目安の根拠」と同じ資料です。片側のしびれ・急な見え方の異常・意識やふるまいの変化・けいれんは、よくある症状のページの「この目安の根拠」と同じ資料です。

赤(すぐに119番)

  • 突然の強いめまいで歩けない・立てない:総務省消防庁の救急受診ガイド(Q助)・東京消防庁の救急受診ガイド・消防庁の電話相談の手引き789(Q助では、突然のめまい・ひどいめまい・吐き気や頭痛を伴うめまいなども119番の扱いです。当院の医師の判断で、まっすぐ歩けない・立てないときにしました)
  • 今日のうちに2回以上:当院の医師の判断です。英国NHSも、24時間以内に脳卒中の症状があれば、消えていても救急車の扱いです11。

黄(できるだけ早めに受診)

  • 数分〜数時間で消えた:当院の医師の判断です。日本の消防庁の資料には、症状が消えた場合の分かれ道がありません。英国NHSでは、24時間以内なら消えていても救急車の扱い、それより前のことなら急ぎの受診の扱いです11。当院の医師の判断で、この段にしました。
  • 時間外の相談先(#7119):福岡県救急医療情報センター10

青(予約して受診)

  • 症状が無いときの相談(病気の既往・危険因子など):受診の時期を書いた資料が無いため、当院の医師の判断で、予約の段にしました。

当てはまる症状をくわしく確かめる

赤 すぐに119番

  • いま片側の手足に力が入らない・入りにくい・顔がゆがむ・ろれつが回らない
  • いま片方の目が見えない・見えにくい
  • 突然の強いめまい・ふらつきで、まっすぐ歩けない・立てない
  • 今日のうちに2回以上起きた(いまは消えていても)
119に電話する

黄 できるだけ早めに受診

目安は数時間のうち。診療時間外・休日は、救急外来へ。

  • 上の症状が出て、数分〜数時間で消えた(消えても、受診が必要です)
  • 1つだけ・すぐ消えた症状が気になる
0942-42-1155 に電話

青 予約して受診

  • TIAと言われ、再発予防を続けたい
  • 脳梗塞の危険(血圧・心房細動など)が気になる
WEB予約・アクセス

FAQよくある質問

TIA と脳梗塞は何が違うのですか?
A. 症状は同じですが、TIA は短時間で消え、脳に傷が残らないことが多い点が違います。
  1. ① 症状はほぼ同じ 片側の手足が動かしにくい・ろれつが回らない・見え方がおかしいなど、出るサインは脳梗塞と同じです。違いは症状が消えるかどうかです。
  2. ② TIA は短時間で消え、傷が残らない TIA は血流がすぐ戻り、多くは脳に傷が残りません。脳梗塞は血流が戻らず、脳に傷が残って症状が続きます。ただし MRI で小さな傷(梗塞)が見つかれば、症状が消えていても “脳梗塞” と診断されることがあります。だから検査が大切です2。
一度 TIA になったら、必ず脳梗塞になりますか?
A. 必ずではありません。ただ、何もしないと危険が高い状態が続きます。原因に合わせた薬と生活習慣の管理で、その危険を下げられます1。
家族が症状に気づいたのに、本人が「大丈夫」と言い張ります。どうすればよいですか?
A. TIA はご本人が軽く考えがちです。ご家族が気づいたら、本人が「大丈夫」と言っても、その日のうちの受診を強くおすすめします。
  1. ① 本人は気づきにくく、軽く見がち TIA の症状は短時間で消えるため、ご本人は「気のせい」「もう治った」と考えがちです。けれども、消えた直後ほど脳卒中が起きやすい時期です。
  2. ② 家族が気づいたサインは大切な手がかり ろれつが回らなかった・片手が一瞬使えなかった・顔がゆがんだなど、ご家族や周囲が気づいたサインは、本人の自覚以上に大切です。
  3. ③ 付き添って、その日のうちに受診を 「念のため一度だけ診てもらおう」と背中を押し、できればご家族が付き添って受診してください。診療時間外は救急外来へ。受診先に迷うときは #7119(福岡県の救急医療電話相談・24時間)へ。

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つつみ脳神経外科クリニック
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